袋叩きニューラ変化法(セレビィをつくれるバグ)
以前にもちょっとだけ話した袋叩きニューラ変化法についての個別解説ページです。袋叩きニューラ変化法とはポケモン金銀において袋叩きを覚えたニューラを用いてセレビィを作ることができるバグ技で、おそらく任意コード実行を除いて金銀で唯一セレビィを入手することのできるバグ技かと思われます。
初代で金銀に対応するバグポケを用意し輸送することで金銀の新ポケすら用意することができるのですが、残念ながらセレビィだけはその方法が使えないのです。そんな袋叩きニューラ変化法ですが、別にこれはセレビィを入手するだけのバグ技ではなく、きちんとした手順を踏むことで任意のアイテムやポケモンを手に入れられる裏技です。
しかし最初にお断りしておかなければならないのが、これは割と危険なバグ技で手順を間違えると場合によってはデータが吹っ飛んだり、ゲームの続行が不可能になる危険性もあります。くれぐれも説明をよく読んで実行してください。またポケモンのIDを16進数に直したときにFFが含まれる場合このバグ技は失敗します。このバグをやる予定があるならゲーム開始時にTIDを確認しておいた方がいいかも。
※このバグ技の改良版が発見され、今まで用意が必要だったものの面倒な0xFF要因が必要なくなりましたので、それに合わせてこのページを書き直しております。
※2 この後レベル0のバグポケという言葉が何度かでてきますが、これについて誤解を与えてしまっている場合があるようなので補足。レベル0のバグポケとは書いてありますが、あくまで入手した時にレベル0であるというだけでバグを行う際にレベルが0である必要はありません(PCに預けてから引き落とすとレベル1になる場合がある)。大事なのは育て屋に預けてから引き取った際にアイコンのバグったポケモンが返却されるかどうかです(要するに中身が図鑑番号0、もしくはFFのバグポケであるかどうか)。
・基本知識
まずはこのバグ技の実行前に最低限の必要なことを。このバグ技はポケモンのデータをずらすことによって成立しています。例えば技番号251の技である袋叩きを技の一番上に持つポケモンのデータを1回ずらすことで、そのポケモンはアイテム番号251のアイテムである秘伝マシン9(バグアイテム)を持っている状態になります。そしてさらにデータを1回ずらすことで、そのポケモンは図鑑番号251のポケモンであるセレビィに変化します。
金銀のポケモンのデータは
中身、持ち物、技1、技2、技3、技4、ID上桁、ID下桁、経験値上桁、経験値中桁、経験値下桁、HP努力値上桁、HP努力値下桁、A努力値上桁、A努力値下桁、B努力値上桁、B努力値下桁、S努力値上桁、S努力値下桁、特殊努力値上桁、特殊努力値下桁、AとB個体値、Sと特殊個体値、技1PP、技2PP、技3PP、技4PP、なつき度、ポケルス、※1、※2、レベル、状態異常フラグ、※3、現在HP上桁、現在HP下桁、最大HP上桁、最大HP下桁、A実値上桁、A実値下桁、B実値上桁、B実値下桁、S実値上桁、S実値下桁、C実値上桁、C実値下桁、D実値上桁、D実値下桁
の計48byteで構成されています。※1はクリスタル限定のポケモンを捕獲した際の時間帯とレベル、※2はこちらもクリスタル限定でトレーナーの性別と捕まえた場所のデータです。クリスタル以外で捕まえたポケモンは0が入っています。※3に関してはよくわかっていませんが基本0です。初代から輸送してきたポケモンに変な数値が入ってるのを見た気がしたのですが、それもいつの間にか0になっていたのでずっと0として考えてもいいと思います。
これら48byteのデータが袋叩きニューラ変化法の過程でポケモンを預けることで1つずつ上にずれていきます。例えば01、02、03、04、05…という状態のポケモンのデータを一回ずらすと02、03、04、05、06…となります。
これが袋叩きニューラ変化法の名前の由来で、金銀においてレベルで袋叩きを覚えるのはニューラのみ、袋叩きの技番号は251、セレビィの図鑑番号は251ということで、袋叩きを技の一番上に置いたポケモンのデータを2回ずらすことでポケモンの中身をセレビィに出来ます。外見は元のポケモンのままなのですが、初代同様育て屋に預けてからすぐに引き出すことで外見を中身に一致させることができます。PPが個体値になるのであらかじめPPを調整しておくとことで色個体すらつくれます。
このバグ技で気を付けておかねばならないことは、データにFFがあればそれ以降はずれないということです。01、02、03、FF、05、06…という状態のポケモンがいた場合、一回データをずらすと02、03、FF、FF、05、06…となります。手持ちのポケモンを7体にした際に2番目のポケモンの中身がFFになるので、この2番目のポケモンを並び替えて6番目に持ってくることでそれ以降のデータ(図鑑やNN)のずれを防ぐことができます。やりやすい初代であらかじめ調整したポケモンをバグのいけにえにすることで、個体値4F、努力値振り済のポケモンも作れます。
初代には被捕獲度というポケモンの捕まりやすさの値がポケモンごとに設定されていましたが、そのデータがそのまま金銀では持ち物になります。なのでセレクトバグなどでここをいじることで、金銀に送った際に好きなアイテムを持たせることができます。
技のPPについてですが、ポイントアップを使っていた場合、技の残りPPにポイントアップを使った回数×64を足した数値になります。例えばポイントアップを1回使った残りPP12の技の場合、12+64×1で76(0x4C)になっています。
要するにほしいポケモンと同じ内部番号のアイテムを持たせたポケモンを用意してデータを1回ずらす、もしくは同じ内部番号の技を一番上に持たせたポケモンのデータを2回ずらすことで任意のポケモンに変化させることができるのです。勿論ほしいアイテムと同じ番号の技を一番上に持たせたポケモンのデータを1回ずらせば任意のアイテムを入手することもできます。
ずれるデータで大事なとこではこんな感じ
1番目の技→持ち物→ポケモンの中身
技1のPP→特殊とSの個体値→AとBの個体値
技2のPP→技1のPP→特殊とSの個体値
・準備するもの
・いらないポケモン5匹
・ほしいポケモン、もしくはアイテムと同じ内部番号のアイテム、もしくは技をもったポケモン
・レベル0のバグポケ
何度もこの裏技をする予定がある場合、この後作るレベル0のバグポケはボックスバグでコピーを取っておくと便利です。
技やアイテムの内部番号については以前初代の任意コード実行のページでも紹介したこちらのサイトが便利です。
ただ今回気を付けなければいけないのは、金銀でのポケモンの内部番号は初代と違って図鑑番号とイコールです。上記の表のポケモンの内部番号は、初代や初代と2世代で交換するときのみ適用される数字です。なので例えばミュウが欲しい場合、表にある内部番号21に対応するたたきつけるやピーピーマックスではなく、図鑑番号151に対応するとけるやりゅうのウロコを用意する必要があります。
レベル0のバグポケですが、作り方が2通りあります。しかしその両方に難点があり、片方はゲーム開始から一度でもポケモンを6匹持ったことがあるデータでは不可能、もう片方はタイミングが非常に難しいことに加えて全てのボックスを満タンにしたことがあるデータでは不可能です。前者は6匹持ったことさえなければ確実に成功するのでできれば前者がおススメ。
・虫取りバグによるレベル0のバグポケ生成法
こちらはゲーム開始から一度でも手持ちにポケモンを6匹持ったことがあるデータだと不可能なので注意。最初から始めるで6匹埋めないようにやり直した場合は問題ないです。
まず虫取り大会に参加する必要があるので、火、木、土限定です。手持ちのポケモンを5匹用意し、先頭のポケモンをテレポートもしくは空を飛ぶ持ちにします。テレポート持ちを先頭にする場合、最後に入ったポケセンをコガネシティのものにしておきましょう。
1.その状態で虫取り大会に参加します。手持ちのポケモンが1匹ではないと言われますがはいで大丈夫です。
2.虫取り大会開始後すぐにゲートへ引き返します。虫取り大会をやめるかどうかと聞かれるのでいいえを選択して再び公園へ。
3.手持ちのポケモンでテレポートもしくは空を飛びコガネシティに帰還。ポケモンが5匹手持ちに戻っているので先頭のポケモン以外をPCに預けます。
4.虫取り大会会場まで戻ります。虫取り大会をやめるかどうか質問されるので、今度こそはいを選択。虫取り大会の結果が発表され、開始前の手持ち2番目の姿をしたバグポケが手持ちにいるはずです。
・ボックスバグによるレベル0のバグポケ生成法
こちらは非常にタイミングが難しいので注意。まず初めに一度も30匹埋めたことのないボックスを用意。もしできるなら一度もポケモンを預けてないボックスの方が成功率が上がる?可能性があります。手持ちになんでもいいのでポケモンを6匹用意します。
1.PCの前でレポートを書き、その後手持ちのポケモンのうち5匹をボックスに預けます。
2.ボックスを変えるを選択。選択中のボックス以外に切り替えると、レポートをかくかどうか聞かれるのではいを選択。
3.もう一度聞かれるので再びはいを選択します。するとレポートが書かれるので「ポケモンレポートに書き込んでいます~」と表示される途中のポケと出たあたりで電源を切ります。
うまくいくと預けたポケモンの外見をしたレベル0のバグポケがボックスに存在します。もし預けたポケモンが手持ちには存在するがボックスに存在しない場合、電源を切るタイミングは早すぎるので少し遅めにしましょう。また手持ちとボックスの両方に預けたポケモンが存在して増殖している場合は、電源を切るタイミングが遅いです。手持ちにはおらずボックスのみに存在する場合は電源を切るタイミングが遅すぎます。こちらは非常にタイミングが難しいので根気が必要です。また未確認情報ですが、ハードによってタイミングや成功率が変わるという情報もあります。何度やってもできないときはおとなしく最初からにして虫取り大会で作るのをおススメします。
・やり方
用意が出来たら早速裏技を実行しましょう。まずは手持ちのポケモンを
・いらないポケモン
・必要なポケモンに対応するアイテムもしくは技を一番上に用意したポケモン
・いらないポケモン
・いらないポケモン
・いらないポケモン
・レベル0のバグポケ
のような順に並べます。そしてレベル0のバグポケを育て屋に預けてすぐに引き取ります。そうするとなんかアイコンがバグってるバグポケが返却されます。こいつのステータスを見るとバグることがあるので見ない方が無難です。
次に返却されたバグポケを手持ちの一番上に並び替えます。この時手持ちのポケモンは
・バグポケ
・必要なポケモンに対応するアイテムもしくは技を一番上に用意したポケモン
・いらないポケモン
・いらないポケモン
・いらないポケモン
・いらないポケモン
の順になっているはず。そうしたらPCの前に行きボックス整理を選択します。この時ポケモンを連れていくだとすでに手持ちに6匹ポケモンがいるためこれ以上連れていくことはできませんが、ボックス整理でポケモンを手持ちに移動する場合、一番上のバグポケ以下のポケモンがボックスで認識せず、7匹目を手持ちに加えることができます。これを利用しボックス整理で用意しておいたいらないポケモンを手持ちに加え、手持ちのポケモンを7匹にします。
その後手持ち2体目のバグポケと6体目のポケモンを交換します。これで手持ちのポケモンは
・NNがバグってるポケモン
・いらないポケモン
・必要なポケモンに対応するアイテムもしくは技を一番上に用意したポケモン
・いらないポケモン
・いらないポケモン
・バグポケ
・いらないポケモン
となっています。次にパソコンからポケモンを預けるを選択。この時パソコン上では手持ちのポケモンが5匹表示されているはず。ここから手持ちのポケモンを預けるごとに、PC上に表示されている残された手持ちのポケモンのデータが1つずつずれていきます。必要な回数手持ちのポケモンを預けてデータをずらしましょう(技やアイテムを調整したポケモンは預けちゃダメです)。
例としてセレビィを作るために袋叩きを技の一番上に覚えたポケモンを用意していた場合、手持ちのポケモンを2匹預ければOKです。
データをずらし終わったらボックスから適当なポケモンを引き取ります。こうすることで以後ポケモンを預けてもこれ以上データがずれることがなくなります。目的がアイテムの場合はポケモンからアイテムを引き取りましょう。目的がポケモンの場合外見が元のポケモンのままなので、育て屋にそのポケモンを預けすぐに引き取りましょう。そうすれば目的のポケモンに変化しているはずです。
アイテムをポケモンに変更したい場合、データをずらすのは1回になるのでポケモンを預けるのも1回になります。しかし1回ポケモンを預けた後にこれ以上データをずらさないようにポケモンを引き出そうとしても、手持ちのポケモンが既に6匹いるので引き出せないはずです。その場合は1回データをずらした後、アイテムを持たせていたポケモンを育て屋に預けすぐに引き取りましょう。これによって目的のポケモンが手に入り、これ以上ポケモンを預けてもデータがずれなくなります。
技からアイテムを生成したい場合は、アイテムと同じ内部番号の技を技の2番目に配置しておきましょう。この状態でデータを2回ずらせば、そのポケモンは狙ったアイテムを持っているはずです。
このバグの影響を受けたポケモンが手持ちにいる状態でメニューからポケモンを開くとフリーズする場合があります。その時はリセットをしてやり直した後、PCのボックス整理を用いてポケモンを移動する、もしくはバグの影響を受けたポケモンを1度ボックスに預けるなどすることで回避することができます。
※どうもフリーズする条件は、ずらした結果最大HPが1024の倍数になることのようです。先に書いた様にフリーズする状態のポケモンをボックスに預けることでフリーズは回避できますが、ボックスに預けて経験値の再計算を起こしたくないときもあるはず。そういう時はあらかじめポケモンの最大HPになる値をチェックしておきましょう。
こうしてできたポケモンの個体値や経験値、努力値などはすべてもとのポケモンのデータをn回ずらしたものとなっています。例えば技1のPPが0x14のポケモンのデータを2回ずらしていた場合、Aの個体値が1、Bの個体値が4のポケモンが生まれているわけです。つまり技1、技2の残りPPがポイントアップ2回使用の42(内部データでは0xAA)の技を持つポケモンのデータを2回ずらした場合は色ポケモンが作れるわけですね。
できたポケモンのレベルは大抵0のことが多いと思いますが、このレベルは育て屋やパソコンに預けるとそのポケモンの経験値に引っ張られます。基本技が欲しいときはバグの生贄のHPの努力値などを0にして、できるポケモンの経験値を0になるようにします。経験値とレベルが共に0のポケモンを育て屋に預けることでポケモンのレベルが1に、そして基本技を覚えます。ただしセレビィなど経験値タイプが105万タイプのポケモンは、初代や第二世代ではレベル1だと経験値がバグります。その状態でボックスに預けるとフリーズするかレベルが100に上がってしまうので、飴を1つ与えてレベル2にしておきましょう。
この方法でポケモンをゲットしてもそのポケモンは図鑑に登録されません。ですが後述の親名とIDを合わせる裏技を行うことで図鑑に登録することができます。勿論他ROMに輸送してから戻すことでも登録されます。
以下需要の高そうな基本技ありのレベル1セレビィの作り方
1.技を4つかつ袋叩きを覚えた努力値をふっていないポケモンを1体、レベル0のバグポケを1体、いらないポケモン4体で手持ちを埋める。袋叩きは技の2番目にしておきましょう。
2.レベル0のバグポケを育て屋に預けすぐに引き取る。その後返却されたバグポケを手持ち先頭に、袋叩きを覚えたポケモンを3番目に並び替える。
3.PCのボックス整理を用い手持ちにいらないポケモンを1体加える。
4.手持ち2番目のバグポケと5体目のポケモンを並び替える。
5.PCにいらないポケモンを上から3体預ける。その後PCからポケモンを1体引き取る。
6.袋叩きを覚えたポケモンを育て屋に預けすぐに引き取る。レベル0から1に上がり、基本技を覚えたセレビィが返却される。
育て屋に預ける前の段階で状態異常にかかっていても問題ありません。また、できたポケモンは基本的にポケルスに感染しているはず。ポケルスを避けたい場合には袋叩きを覚えたポケモンがレベル0である必要があるので、初代でバグを使って用意する必要があります。それと上でも書きましたが、できたレベル1セレビィは経験値がバグっています。飴を与えてレベル2にしておくこと推奨。ただしこの段階で飴を与えてしまうとセレビィのなつき度が上がり、この後紹介する親名とIDを合わせる裏技を行う際に微妙に不都合が起こります(タマゴが孵るまでの時間が伸びる)。なので飴を与えるのはこの親名とIDを合わせる裏技を行った後にしましょう。
ついで基本技ありのレベル1色セレビィの作り方。VCでもできるだろうけどバンクを通るかどうかはわかりません。(後日追記:クリスタルVC発売に伴いセレビィが解禁されました。レベルが30以上であれば通常色、色違い共にムーバーを通ります)
1.技を4つかつ袋叩きを覚えた努力値をふっていないポケモンを1体、レベル0のバグポケを1体、いらないポケモン4体で手持ちを埋める。袋叩きは技の1番目にしておきましょう。
2.袋叩きを覚えたポケモンの2番目と3番目の技の残りPPを、ポイアを2回使用した上で42にしておく(袋叩きを覚えたポケモンがニューラの場合、元のPPが30の電光石火と高速移動、または秘伝技の居合切りを覚えさせてポイアを2回使用すれば丁度42になるのでオススメ)。
3.レベル0のバグポケを育て屋に預けすぐに引き取る。その後返却されたバグポケを手持ち先頭に、袋叩きを覚えたポケモンを3番目に並び替える。
4. PCのボックス整理を用い手持ちにいらないポケモンを1体加える。
5.手持ち2番目のバグポケと5体目のポケモンを並び替える。
6.PCに一番上のいらないポケモンを1体預ける。
7.袋叩きを覚えたポケモンがアイテム(秘伝マシン9)を持っているので預かる。
8.PCにさらに一番上のポケモンを預ける。
9.袋叩きを覚えたポケモンに先ほど回収した秘伝マシン9を持たせる。
10.PCにさらに一番上のポケモンを預ける。その後PCからポケモンを1体引き出す。
11.袋叩きを覚えたポケモンを育て屋に預けすぐに引き出す。レベル0から1に上がり、基本技を覚えた色セレビィが返却される。
経験値に関しては上と同じくバグっているので飴を1つ使っておきましょう。
色の有無に関わらず、努力値を振った袋叩きを覚えたポケモンでこのバグ技を行った場合、経験値が大量に入るので育て屋に預けた際に大きくレベルが上がったセレビィが返却されます。むしろレベルを上げたい人などはHに努力値を振っておきましょう。
以下は実際にこの方法でセレビィを作ってみた動画。
ポケルス感染なしで作る方法を思いついたのでミュウでやってみた動画も貼っときます。こっちは並び替えの手間を増やしてる分、ミュウにしたいポケモンのHPとAの実数値が4の倍数であることさえ避ければフリーズを確実に回避できるはず。
・原理
なんでこんなことが起きるのかというこのバグ技の原理の話を簡単に。やり方さえわかれば大丈夫という人は読み飛ばしてもらっても大丈夫です。上でポケモンのデータは48byteで構成されているという話はしましたが、1匹目のポケモンの上には手持ちのポケモンの数と並びが記録されています。手持ちのポケモンの数は7体分用意されており、具体例として手持ちのポケモンが6匹、フリーザー、サンダー、ファイヤー、ライコウ、エンテイ、スイクンの場合は初めに0x06と手持ちのポケモンの数があり、続いて
0x91、0x92、0x93、0xF3、0xF4、0xF5(フリーザー、ファイヤー、サンダー、ライコウ、エンテイ、スイクン)
となっており、その後の7匹目のスペースにはやめるを示す0xFFが入っており、ついで1匹目のポケモンのデータが続きます。手持ちのポケモンが6匹いない場合は、いないポケモンの場所に7匹目と同じく0xFFがあります。
ではこの状態で手持ちのポケモンを預けた場合の処理についてです。先の例で手持ちのフリーザーを預けた場合、手持ちのポケモンの数が1匹減り、預けたフリーザー以降のポケモンが1匹ずつずれます。結果6匹目には0xFFが入り、
0x05、0x92、0x93、0xF3、0xF4、0xF5、0xFF
となります(7匹目のスペースは変わらず0xFF)。
当然の話ですが、手持ちのポケモンを預けたときそれ以降のデータがずれるといってもそれはあくまで手持ちのポケモンの並びの範囲内での話であり、ポケモンを預けても手持ちの並び以外のデータがずれることは通常ありえません。ではデータ的にはどのように手持ちのポケモンを預けたときにずれるデータを手持ちの並びの範囲内でおさめているかというと、0xFFをストッパーにしています。手持ちのポケモンのデータには最低でも7匹目には0xFFがあるため、0xFF以降はデータがずれないとしておくとずれるデータを手持ちの並びの内でおさめれるわけです。
では袋叩きニューラ変化法の過程でバグポケを用いて手持ちのポケモンを7匹にした場合はどうなるでしょうか。本来7匹目に絶対入っているはずの0xFFをポケモンのデータで上書きしてしまいます。その状態でポケモンを預けると本来ストッパーである0xFFが存在しないため、次に0xFFをみつけるまで手持ちのポケモンの枠を超えてずれつづけるというわけです。
バグの途中で2体目のバグポケと6体目のいらないポケモンを並び替えるのはこのためです。手持ちのポケモンを7体にした時点でこのバグポケの中身は0xFFになっており、その0xFFがストッパーとなってこれ以降のデータのずれを防いでいるわけです。
・後始末
これでこのバグ自体は完了ですが、問題が2つあります。1つはこの裏技で作ったポケモンは親名とIDが本来のものと異なってしまっている点です。気にしない場合はそれでいいのですが、自分のようにトレーナーのものと合わせたい人は多いと思います。また1人目の育て屋に預けたバグポケはボックスで認識できないため、通常の手段では逃がすことができません。ポケスタを使えばバグポケを認識してくれるため逃がせるそうなのですが、VCなどではそれも不可能です。この2つの解決法を順に説明していきます。
・親名とIDを合わせる
これにはレベル0のポケモンを作る際にも利用した虫取りバグを利用します。用意するのは前回と同じくテレポートもしくは空を飛ぶを覚えたポケモンと、ポケモンのタマゴです。テレポートを使う場合は最後に入ったポケセンをコガネシティのものにしておきましょう。
今回のバグをやる際に重要なことですが、親名とIDを合わせるポケモンのなつき度を調べておきましょう。データを何回ずらしたポケモンかを把握しておけば逆算できるはずです。
仮にデータを2回ずらしていた場合はなつき度にあたる元の数値は※1(クリスタル限定のポケモンを捕獲した際の時間帯とレベル)なので0になります。この後親名とIDを合わせたいポケモンを虫取りバグを用いてタマゴにするのですが、タマゴを孵化させるのに必要な歩数はこのポケモンのなつき度×256歩になります。なつき度が大きい場合は延々と孵化のために歩く必要が出てくるので、それを避けるためにあらかじめなつき度を下げておく必要があります。
おススメはコガネシティの地下で土日のみ買えるちからのねっこです。使うとHPが200回復する代わりになつき度が200未満の時は10、200以上の時は15下がります。あらかじめこいつを買い込んでおき、野生との戦闘でHPを減らしてちからのねっこを使い続けることでなつき度を下げることができます。ここで注意なのですが、なつき度を0の状態でタマゴにしてしまうと必要な歩数が256×256歩となり死ぬほど歩かないと孵化しないタマゴが出来上がります(参考までに一番孵化歩数が長いラッキーやカビゴンなどの孵化歩数は40×256歩。それでも孵化までに10分くらいかかります)。なのでなつき度を0まで下げた後、そのポケモンを手持ちに入れてしばらく自転車をこぎましょう。512歩歩けば手持ちのポケモンすべてになつき度が+1されます。なつき度が1だと必要な歩数は1×256歩になります。
では実際にやり方を。今回は元のポケモンを残す必要がないと思うので、元のポケモンを直接タマゴにする方法で行きます。まずは手持ちを
・空を飛ぶもしくはテレポートを覚えたポケモン
・タマゴ
・親名とIDを合わせたいポケモン
の順に並べ虫取り大会に参加します。参加後すぐに元のゲートに戻り、やめるかどうか聞かれるのでいいえを選択。その後空を飛ぶもしくはテレポートでコガネに飛びます。手持ちのポケモンが戻っているので、並びを
・空を飛ぶもしくはテレポートを覚えたポケモン
・親名とIDを合わせたいポケモン
・タマゴ
の順に変えて虫取り大会会場まで戻り、虫取り大会を終了します。すると親名とIDを合わせたいポケモンがタマゴになっているはずです。自転車で歩数を稼いでいるとすぐに孵化します。そして孵化する際に親名とIDがトレーナーのものと一致しており、図鑑登録も行われます。
・バグポケを消す
これには方法が2つあります。1つめは簡単で、バグポケを1度育て屋に預けすぐに引き取った後に、こいつを1番下に置いて虫取り大会に参加することです。虫取り大会に参加できる曜日かつまだ虫取り大会を行っていないことが条件ですが、手持ちにバグポケが存在する状態で虫取り大会に参加すると、終了後にバグポケが消えています。簡単で間違える余地もないのでできればこちらがおススメ。
2つめは手持ちのポケモンを7匹にする方法です。このバグポケは先に述べたようにボックスで認識しないため、既に手持ちが6体存在する場合でもボックス整理を用いるとポケモンを手持ちに追加することができます。それを利用しバグポケを別のポケモンに変更して逃がそうというのがこちらのやり方。
まずはバグポケ1体、いらないポケモン5体で手持ちを6体にします。バグポケは6匹目に配置しましょう。つぎにPCからボックス整理を選択。いらないポケモンを手持ちに追加し、手持ちのポケモンを7匹にします。これによってバグポケは手持ちのポケモン7匹目になります。その後手持ちのポケモン1体をPCに預けると、バグポケの外見以外が1体上のポケモンと全く同じになっています。あとはこいつを育て屋に預けてすぐに引き取ると外見も1体上のポケモンに一致します。これでボックスで認識されるようになったので逃がすことができます。
7匹目のポケモンが6匹目のポケモンと同じになるため一応この方法はポケモンのコピーにも使えますが、金銀のコピーはボックス利用のが便利すぎるのと親名がバグってしまうことから実用性は皆無です。一応アイテムもコピーされるのでバグポケを逃がすついでにアイテムを1つ増やすくらいがせいぜいでしょう。
このバグポケを消すのと、ポケモンのIDと親名の調整は1度の虫取り大会への参加で同時に行うことができます。以下そのやり方の説明。
1.手持ちを以下のように並べる。
・空を飛ぶもしくはテレポートを覚えたポケモン
・タマゴ
・親名とIDを合わせたいポケモン
・バグポケ
2.バグポケを育て屋に預け、すぐに引き取る。
3.虫取り大会に参加する。参加後すぐに元のゲートに戻り、虫取り大会をやめるかどうか聞かれるがいいえを選択。
4.空を飛ぶもしくはテレポートでコガネシティに飛ぶ。移動後バグポケが手持ちから消えているので、手持ちを以下のように並び替える。
・空を飛ぶもしくはテレポートを覚えたポケモン
・親名とIDを合わせたポケモン
・タマゴ
4.虫取り大会会場に戻り虫取り大会を終わらせる。
これでバグポケが消え、親名とIDを合わせたいポケモンがタマゴになっているはず。このタマゴを孵化すれば親名とIDがトレーナーのものと一致します。NNも自由に弄れます。
・おしまい
色々面倒はありますが任意のポケモンやアイテムが手に入るため、こいつは任意コードを除いて金銀で一番汎用性の高いバグ技かと思われます。その任意コードについても金銀単体で環境を整えるにはこのバグ技が必須になるため、今のうちに覚えておくとVCでも役に立つかも。何故か金銀は初代と違っていまいち盛り上がらないのが寂しい。以下以前にも紹介した金銀の任意コードの動画。こっちもいつかは記事にしたい。
・追記
あまりないと思うが、虫取り大会の開催日じゃないけど今すぐ作ったポケモンのIDと親名を合わせたいという人向け。そもそもこのバグでポケモンのIDがバグるのはポケモンのデータがずれるから、親名がバグるのは7体目のポケモンのステータスによって手持ちのポケモンの親名が上書きされるからである。というのも、金銀のデータでは6体目のポケモンのすぐ後にポケモンの親名が連続して記録されている。なので手持ちのポケモンが7体目になった時、本来親名が記載されている範囲を7体目のポケモンのステータスを記録する範囲だと誤認して上書きしてしまうのである。ならばあらかじめ7体目のポケモンのステータスの親名に上書きする部分に、親名を書き込んでおけば親名バグらないじゃんという話。
具体的には7体目のポケモンのHP努力値下位バイトから6バイト分が、手持ちのポケモン3体目の親名に上書きされる。例としてTNがゴールド(09 E3 A6 13 50 50)の場合、
HP努力値下桁:09
A努力値上桁:E3
A努力値下桁:A6
B努力値上桁:13
B努力値下桁:50
C努力値上桁:50
のポケモンが7体目になれば、手持ち3体目のポケモンの親名はゴールドになるのである。といってもこんな細かい調整真面目にやってられないので、バグを使って初代でやっちゃうのが楽でしょう。作るまでが長くて面倒だが任意コード実行でバイナリエディタとか作ってあると大分はかどる。
この調整をしてもIDがずれることには変わりないので、変化させるポケモンのIDがずれる前提でポケモンのステータスを調整する必要がある。例えばデータを1回ずらしてIDが55555(0xD903)のポケモンを作りたい場合、ID下桁をD9、経験値上桁を03にするみたいな感じで。
勿論これ以降のデータもずれ続けるので、レベルやステータスなどにこだわりがある場合はそちらもずれることを考えた上で調整が必要。努力値あたりにFFを仕込んでおけばそこでずれは止まる。
結論7体目になるポケモンのステータスをいじっとけば親名がバグるのを防げるから、後は変化させたいポケモンのステータスを希望のID用に調整しておけば虫取りバグは必要ないよって話。こんな感じであらかじめ初代でステータスを調整したポケモンのデータをずらせば理想個体も作り出せるよってことでもある。ただし普通にやる分には準備が面倒なので、親名とID合わせるのくらいは普通に虫取り大会ができる日まで待った方が楽でしょう。